名著「がんと闘った科学者の記録」を読む

がんと闘った科学者の記録

様々な愁訴

肩の痛み、背中の痛み、腰痛等を訴える患者さんの中には、癌を患っている方もいらっしゃいます。

痛みを何とかして欲しい、その日が来るまで普段通りの日常を過ごしたいなど、様々な愁訴があります。

緩和ケアを通して患者さんと接していると、一般の方と同じように接すれば良いのかあるいは患者さんの話を傾聴し感情を理解し共感する方向へ行けば良いのか。

一般の方でも接する時は対応は様々です。

その様々な対応から特別に考えるあるいは分ける事自体がおかしいのではないか!?

そんな思いをしている時に「がんと闘った科学者の記録」という本に出会いました。

著者:戸塚洋二さん

科学者の方ならば、客観的な立場で自身の癌について述べているのではないかと浅い考えで購入しました。

著者は戸塚洋二さん。

私は戸塚洋二さんがどのような方なのか全く存じ上げておりませんでした。

どのような方かと言うと、スーパーカミオカンデでニュートリノ振動を確認しニュートリノの質量がゼロでないことを世界で初めて示し、ノーベル物理学賞受賞者・小柴昌俊さんが「あと十八ヶ月、君が長生きしていれば、国民みんなが喜んだでしょう」(ノーベル賞受賞を期待されていた)と、死去を惜しんだほどの凄い方でした。

自分の無知が恥ずかしい(悲)

詳しくは wikipedia~戸塚洋二~

がんと闘った科学者の記録

この本は、戸塚さん自身が「研究者という職業柄、自分の症状を観察せずにはいられない」というように極めて客観的な視点で生涯を終える直前まで記しています。

体調、症状、抗がん剤の効果を示すグラフなどを交えて客観的な視点で記しています。極めて客観的に記す事によって迫りくる現実が伝わってきます。科学者と云えどもあえて客観的に記すことによって気を紛らわせていたのではないかと思います。

読み終えた後、今まで経験した事の無い心の震えに襲われました。

この震えを何と説明すれば良いのか。

私の乏しいボキャブラリーでは表現出来ません(悲)。

個人的抜粋箇所

私が読んで響いた箇所を誠に勝手ではありますが下に記します。

沢山響いた箇所の中から幾つか。

・実際に死にいく者の視点で物事を見てみたい少数の人々もいることを理解してください。

映画やドラマなどで描かれる視点は、確かに見送る側の視点ばかりです。

この視点に気付くだけでも対応の質が変わってくると思います。

・ 21世紀を切り開いた科学革命の一つである量子力学の根本は、物事の起きる事象が確率的である、つまり「原因なしに突然起き」、法則としては「起きる確率が存在する」だけだということ。

私は科学の事は全く分かりません。

その為、自分の都合の良いように捉えているかもしれませんが、「原因なしに突然起き」「起きる確率が存在する」記述にはハッと響きました。

目の前の事象を素直に観て対処すれば良いのに、原因ばかりを探してしまいがちです。

私は、皆さんに心配されて「一日一日を充実してお過ごしください」と言われるのが、一番困るんですよ。そんなことできるわけない(笑)。言われると、何か新しいことをやらなきゃいけないと思ってしまう。でも、どうしようもないんですね。むしろ、「いままで通りでいってください」と言ってもらったほうが楽なんですけどねぇ。

「普段通りの日常を過ごしたい。」この言葉の中身を全然理解していなかった事に気付きました。(私は鈍感ですね)

・死を前にした正岡子規が、こんなことを言っているんですよ。
「 (自分は悟りをこれまで誤解していたが) 悟りといふことは如何なる場合にも平気で死ねる事かと思っていたのは間違ひで悟りといふ事はいかなる場合にも平気で生きて居る事であった。」 とても有名な言葉のようですが、最近まで私は知りませんでした。平気な顔をして死ぬのもすごいことですが、「平気で生きている」ということもすごい。でも結局それしかないのかなと思います。

上記については、私の軽い言葉では語れません。

ただ、ただ衝撃を受けます。

I hope you have a wonderful day.

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